| 黒焼花粉の安全性について |
--------------------------------------------------------------------------
最近問題を起こした花粉症用健康食品“パピラ”については、常識では全く考えられない問題です。
話題になっている減感作療法をヒントに、製造販売をしていたものと考えられますが、スギ花粉は、その物自体が毒(アレルギーの原因物質)であり、そのまま体内に入れれば問題が起こる可能性が大です。
黒焼きは、酸素を遮断し高温で加熱することにより弱毒化したもので、無毒の炭に近い状態ですが“性を存したもの”を言います。(性質は存在している)
黒焼きの方法は、古くから日本及び中国で行われてきており、極めて安全性の高い製法です。
古い文献や専門家の方々からも、過去に黒焼きを食して身体に悪い影響があった、と言う事は今までに耳にしたことがありません。
医療の減感作療法は、スギ花粉のエキスを希釈し体内に入れる方法で、通常、医師が様子を見ながら注射または舌下から体内へ入れますが、ある意味では黒焼花粉はこれよりも危険性が少ない物質だと考えられます。(ほとんど食用炭に近い状態です。)
黒焼きの研究者として知られている、元東北大学助教授・薬学博士の近藤嘉和先生が日本薬用植物友の会会報に黒焼花粉について,寄稿されていますので、参考にされてください。
|
■NEWS 2007年第98号
日本薬用植物友の会 会報 より抜粋
草木筆まかせ(24)
近藤 嘉和
(41)花粉症に効く民間薬
花粉症患者は年々増加し、いまや日本人の5人に1人は花粉症といわれています。今冬は暖冬のせいか、東京では1月にスギ花粉が飛びはじめたとテレビで報じています。 花粉症の治療には、多くの場合、抗ヒスタミン剤や鼻噴霧用ステロイド薬などのアレルギー症状を緩和するくすりを使う対症療法が行われています。しかし、あくまで対症療法なので、根本的な解決にならないことと、くすりの種類によっては眠くなるなどの副作用が出る場合もあるなどの問題があります。抗ヒスタミン剤を服用した場合、自動車の運転は勿論のこと、機械操作をしてはいけないと、注意があるのはこのためです。
私が日頃、見聞しノートに書き留めておいた花粉症に関する民間療法について紹介します。なかには作用本体がはっきりしないもの、また、目下研究中のものもあります。
1.スギ花粉の黒焼き
わが国には古くから、かぶれ(アレルギー)を治すため、その原因となっているものを食べる民間療法があります。漆職人が漆かぶれを予防するため、ウルシの葉を噛んだのはそのよい例です。
私たちがスギ花粉(抗原)を微量ずつ吸い込むと、Th2細胞とよばれる免疫細胞が、花粉を異物と見なさなくなるばかりでなく、その数も減っていきます。するとBリンパ球への指令も送られず、免疫グロブリン(IgE抗体)も産生されません。この状態になれば、次に大量のスギ花粉を吸い込んでも、軽いアレルギー症状ですむわけです。この原理を利用したものが、「抗原特異的免疫療法」で、一般には「減感作療法」と呼ばれる療法です。この療法は、一定の花粉(抗原)を含んだ水溶液を治療スケジュールに従って、舌下に滴し体内に吸収させます。こうすることで、スギ花粉に対する抗体の産生能力を少しずつ弱めていきます。
原理的によく似たスギ花粉症の民間療法が、ここで述べるスギ花粉の黒焼きを使う治療です。黒焼きとは、生薬などを空気を遮断した容器の中で培焼したもので、古典では、「性を存し、黒焼す」と記しています。言葉をかえていうと、燃やして炭化した状態でなく、性質の一部がまだ残った状態の黒焼きという意味です。
スギ花粉の黒焼きを一定量ずつ服用することは、丁度、減感作療法でスギ花粉溶液を少量ずつ投与することと同様のことです。スギ花粉は黒焼きにすることで、抗原性が減弱されているので、アナフィラキシーショックも予防でき、民間療法としても安心して使えます。
■近藤嘉和
・薬学博士
・東北大学付属薬用植物園:日本薬用植物友の会会長
・元東北大学助教授
|
|