必要でない場所や必要でない量の活性酸素が発生した場合、これを消去して無毒菜状態にするのがSOD(スー
パーオキシドディスムターゼ)という酵素です。これは体内で自然に作られ、活性酸素をコントロールする
非常に重要な物質です。しかし年齢が高くなるにつれ、SODを作り出す機能が低下してしまいます。
癌や動脈硬化などの成人病や、シミ・ソバカスが増えるのも、SODの生産量が不足して活性酸素を消し去る
力が衰えてくるからなのです。
このSODを体外から効果的に補給する方法が、近年盛んに研究されています。その素材として注目されている
のが、自然植物や穀物です。直射日光を浴びる植物は、当然その組織内に活性酸素が生じますが、それでもスク
スクと育つのは活性酸素から身を守る物質を備えているからです。フラボノイド、カロチン、ビタミンC・B2・
E、タンニン、ポリフェノール類など、植物に含まれるこれらの物質は「抗酸化成分」といい、活性酸素の除
去に有効な働きを持っています。これらはまたSOD同様の働きをするため、「SOD様作用成分」とも呼ばれま
す。こうした成分を食品、薬品として取り入れようとするのが、研究の主目的なのです。
人類が長い年月をかけて主食として選びとってきた稲や麦などの穀物は、非常に生命力が強く、SODの生産力
もきわめて高い植物です。活性酸素発生の原因の一つとして農薬を挙げましたが、パラコートなどの除草剤は
活性酸素の大量発生によって雑草を枯らすものです。これを撒くと雑草は簡単に枯れてしまいますが、稲や麦は
枯れることはありません。問題になっているゴルフ場の農薬散布も、雑草だけを枯らすものです。SOD生産力
の高いイネ科の植物である芝は、活性酸素の大量発生にも負けないのです。
これらの植物の中でも、とりわけ注目されているのが大麦の若葉です。麦の若葉は酸素の宝庫ともいわれ、SOD
生産力が群を抜いて高く、その他の抗酸化成分やミネラル、葉緑素などが多量に含まれています。今、バイオテク
ノロジーの分野で大麦若葉に関する研究が急速に進められています。病気治療はもちろん、美容、健康の維持、
そして、人間の夢である老化防止など、大きな可能性を秘めているもの。それが大麦の若葉なのです。
◆ 健康の鍵をにぎる「活性酸素」
この頃「活性酸素(フリーラジカル)という言葉を耳にすることが多くなりました。これは「酸素毒」と呼ばれ
るくらい強い酸化力を持つ酸素のことで、人間の体に深く関わるものです。病原菌やウイルスが体内に侵入すると
血液中の白血球がこれを攻撃しますが、この時の武器となるのが活性酸素です。布団を日光に干すのも活性酸素
の利用法の一つ。紫外線の照射によって活性酸素を発生させ、バイ菌などを殺しているのです。
しかし、この働きはいわば両刃の剣で、過剰な紫外線にいよって活性酸素が大量に発生すると、メラニン形成反応
が促進されてシミやソバカスになります。さらに皮下膠原繊維を傷つけ、シワの原因となってしまうのです。
これほど強い力を持つ活性酸素は、当然、人間の体にも影響があります。普通、私たちの体内に活性酸素が必要以上
に発生することはありませんが、体調のバランスが崩れたり体の機能が低下したりすると、余分な活性酸素が体内に
流出して正常な細胞までも破壊してしまいます。それによってアルツハイマー症、癌、動脈硬化、脳出血、心筋梗塞
糖尿病、関節炎、白内障、胃腸粘膜障害などが引き起こされるといわれています。
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